俺のクソババァ

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社会人になった俺は町役場で働くことになった。 一応、公務員だ。 サラリーマンよりは少し良い給料を貰い、安定もしている。 彼女も出来て、結婚も今考え中だ。 恋の障害はもちろんババァ。 朝晩の手伝いは今も変わらず行っている。 『立派に育てでやっだんだから、バァさん孝行しろっ』 "面倒みてもらった"の間違いじゃねーか? 変わることのない憎まれ口を叩くババァ。 当分死にそうにねーな、なんて思っていたら……七月に入ったある日、ポックリ逝っちまった。 ババァでも死ぬのか……。 葬式に来た町医者がいうには、五年前から末期の癌で入院。 死ぬ時くらいは好きにさせろと、病院で騒いだババァは勝手に退院したそうだ。 余命一年が五年も生きていたなんて、と驚いていた。 ババァらしいな。
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