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そして蘭丸が付け足すようにその理由を説明する。
延暦寺は信長に反旗を翻した浅井長政の味方であったこと。
仏門の身でありながらも懐を肥やし、権力を欲していたこと。
信長が押領した寺領を返還せずにいたこと。
だが特筆すべきはこの惨劇に関して朝廷側が信長を罰していないことにある。
朝廷側もこの延暦寺の仏門としての堕落ぶりと、脅威を知っていたのだ。
そして遅かれ早かれ、天下布武を目指す信長にとって通り道である延暦寺は、その標的となったに違いない。
「女人禁制でありながら、ここには女もいたのだ。
虐殺、と申す者もいるが…それはお館様がわざと流した誇張に過ぎぬ」
「ま、そんだけすりゃびびって無駄な戦は避けられるだろうな」
「その通りだ。
かの武田信玄も延暦寺を擁護する一人であったし、この焼き討ちでお館様の畏怖は各地に広まった」
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