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何よりも目についたのは土方が今まで見たことのないような調度品の数々。
南蛮渡来のものが好きと言っていた信長が集めた渡来品の数々である。
脚の長い机、椅子。
細かな刺繍の施された布地が床に敷かれている。
雑多に置かれた物もあれば、きちんと箱に入れられている物もある。
金や銀などの煌びやかさとはまた違う、渡来品独特の煌めき。
思わず息を飲む土方に、満足げに信長は微笑んだ。
「どうだ、凄いだろう」
言われても圧巻とも言える初見の品々を前に土方は声を発することはできなかった。
ちなみに蔵込に使われた場もここであり、桂は連れて行かれたもののここで快適な一日を過ごしたのだが…それはあえて言わない信長だった。
「なかなか楽しませてもらったぞ、豊玉宗匠」
呆然と立ち尽くす土方の頭に、手に持っていた帳面を乗せる。
器用な彼は逃げながらも目を通したらしい。
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