鬼が戦った日

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「ったく、一々逃げ回りやがって…」 恥ずかしい彼はそうごちり、頭をかくと、話を変えた。 「何故あんな真似を?」 そもそも追ってきた当初の目的を問う。 信長は答えなかった。 「いよいよ最後の詰めに入る。 準備が整ったらここを出るぞ、歳」 四国の長宗我部だ、と信長は飾られた略地図を指し示す。 地図を見据える信長の視線の先は、日の本を統一した姿が見えているのだろうか…子供のようにキラキラと希望に満ち溢れているように思えた。 先の光秀の件に関しては答える気はないのだろう、と軽く土方はため息をつく。 だがそれでもいいかと諦めた。 信長と共に生きると決めたのだ。 理由を聞いたところで最早手遅れだろう。 いずれ光秀とは話すとして…今は来るべき日に備えよう。
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