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土方は途中、蘭丸に会った。
あの後、宴はどうなったかを聞くと、あからさまに暗い、どんよりした空気を出す蘭丸に土方は苦笑するしかない。
「三河の家康様がとりなして下されたが…明智様の笑顔が引きつっておられた」
「そりゃあれでニコニコしてたらただの馬鹿かよっぽどの大物だろうよ」
そう言えば私の苦労も知らないで!と蘭丸に睨みつけられた。
軽く労いの言葉をかけていると、遠くに光秀の姿が見えた。
さてどうするか…
どう出ようか考えていると、こちらに気付いた光秀の方がうっすらと笑みを浮かべて寄ってきた。
「土方殿、戻られたか」
見れば打ちすえられた額が赤みを通り越して青く腫れている。
その視線に気付くと、光秀はそっと額に手を当てて苦笑した。
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