鬼が嘆いた日

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「さて、少しばかりからかってやるか」 ニヤリと意地の悪い笑みを見せた信長の肩には鉄砲。 城の小窓から狙うはつい先ほど逃げるように去った使者。 使者は遠目から見てもわかる程に動揺していて、窓辺で小さく息をつく。 悲しいかな。信長の狙いがわかってしまったからだ。 「ほどほどにしとけよ」 そう言葉を投げかけて、土方は部屋を出て行く。 残された信長は意地の悪い笑みを見せながら鉄砲を放った。 慌てふためき逃げていく使者を見送ると、小さく呟く。 「朝廷は………要でなければならんのよ」 その言葉の真意を、誰も知る事はない………―――。
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