鬼が嘆いた日

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2)) どこかで戦があるようには思えない穏やかな朝。 小鳥がさえずり、眩しい太陽が城を照らしている、いつもと変わらない朝。 そんな日に、信長たち一行は安土城を後にした。 日差しはまるでこれからの明るい未来を示しているかのように真っ直ぐで。 隣にいる信長の顔はいつにも増してニヤニヤとしていて… 「清々しい朝だってぇのにうぜぇ…」 居心地の悪さに土方は愚痴る。 そんな言葉すら信長は楽しくてたまらないと言った風にカラカラと笑った。 「恥ずかしがることはなかろうが。なぁ、お蘭」 「お館様の仰る通りにございます」 「お前ぇは台詞と表情が合ってねぇんだよ。 …ったくよぉ、もう少し緊張感てもんを持ちやがれってんだ」 「緊張感! ははは、作戦会議すら情事を優先した男が緊張感! どうやらずいぶんと立派な作戦を持っておられるようで」 これにはさすがの土方も二の句が告げなかった。
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