鬼が嘆いた日

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多分に再三に渡り信長の返答を促すものであろう手紙。 朝廷からということは勅書であろうに、それを処分しようとするとは…。 何もわからない弥助に処分を頼んだのがまたずる賢いというか何というか…。 これを蘭丸あたりに頼めば、さすがに畏れ多いと土下座しそうだな。 苦笑しながら土方は勅書であろう手紙を見た。 火種は出来てくすぶっている。 風に吹かれぬようにそっと紙を乗せると、ジワジワと侵食するように火が広がった。 それが、これから起こることの前触れなようで…土方はそのままそこを立ち去る。 脳裏に浮かぶは山南によく似たあの男の悲しげな笑みだった…。
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