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「おぉ………っ」
息を飲むようなどよめきに、はっと土方は目を開いた。
ゆらゆらと揺れる灯りに見えたのは碁盤。
信長と対していた坊主が眉間にシワを寄せて、糸目を更に細くさせている。
横にいた蘭丸までもが片膝をつき、碁盤に注目していた。
「………三コウ…」
「うむ!!」
一人得意げな信長。
気になって碁盤を覗きこむと、そこにはめったに出ないという「三コウ」という局面だった。
「…不吉な」
眉をひそめてかすれた声を出す坊主。
だが反して信長は高笑いを上げた。
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