418人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
是非に及ばず…か。
俺の話をまともに聞きもしない信長を、俺はどっかで諦めてたのかもしれねえな。
次々と襲いくる敵をなぎ倒しながら、土方の頭はやけに冷めていた。
飛んでくる血は確かに生暖かく、確実に命を奪っているのに。
ただ、ここに来た意味を無理やりに作る為に、俺は信長を助けようとしてた。
何かしら意味があると。
それを山南さんのせいにして。
だが今は違う。
信長は諦めちゃいねえ。
俺も―――この男を…平和な世を作り上げることの出来るこの男を…
信じてぇんだ!
ガキィンッ
「戦いの最中に考え事か!
余裕だな、歳!」
迫ってきた槍を小刀で抑えこむ。
がら空きの腹目掛けて蹴りを入れれば、襲いくる敵は見事に吹っ飛んだ。
最初のコメントを投稿しよう!