鬼が嘆いた日

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睨むように信長を見れば、信長の目は真剣そのもの。 信長は続けた。 「姿形は違えど、貴様は俺の生まれ変わりに違いない。 俺はここでは死なん! 貴様に魂を引き継ぐからだ」 ボォォウッ 閉めた襖が燃えてしまったらしく、一気に炎が迫ってくる。 だが信長は動じない。 「俺がせずとも必ず天下は纏まる! 貴様は、貴様の生きる場所で、それを守れ! 決して屈する事なく、己の生き様を見せつけろ!」 「何言ってやがる! 俺はてめぇを守ると決めたんだよ!」 「ならば俺の魂を守り抜け! それは貴様にしか出来ん事だ!」 「ふざけんな! 第一俺は帰り方なんてわからねえ! 四の五の言ってねえでこっから逃げるぞ! 先に言っとくけどなぁ、これは負けるためじゃねえぞ、勝つために逃げるんだ!」
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