麒麟が飛ぶ日

鬼が――た日

やけにズキズキする頭に手をやって、土方は近藤に問いかける。

余程心配してくれたに違いない近藤は、涙まじりで答えてくれた。

壬生寺に沖田と子ども達が作った落とし穴にはまったこと。

子ども達が沖田にそれを知らせてくれたこと。

外傷はたんこぶ一つで済んだがそれから三日、目を覚まさなかったこと。

聞いた土方は三日間の正体を失せていたという事実に驚きを隠せない。

「わりぃ…少し一人にしてくんねぇか？」

「おぉ、そうだな。
引越やら隊務やらで忙しかったからな…その疲れも出たんだろう。

ゆっくり休むといい」

微笑むと、近藤は土方の背中をポンと叩き、部屋を出て行った。