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「土方副長…っ!これは…?」
驚愕している意味がわからず、土方は朦朧としてくる意識で伊東を見る。
伊東は手鏡を胸元から取り出すと、土方の体を写した。
それを見て、土方も言葉をなくす。
同時に、スゥッと痛みが嘘のように引いていく。
―――やっぱり、夢じゃなかったんだな…
その証にも見えるそれに、土方は笑う。
土方の肩にあったのは、人の手形―――いや、手形というのは少し違うかもしれない。
それは強く肩を掴まれたような跡がくっきりと残っていたのだ。
「―――………っ」
声にならない。
信長はその痣を掴むように己の体を抱きしめると、膝に顔を埋めた。
いよいよおかしい。
そう感じた伊東は逃げるようにその部屋を出て近藤を呼びに行く。
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