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―――幕府は確かに戦乱の世を終わらせた。
知らぬ奴らからすれば堕落したようにしか見えないかもしれねぇ。
けど、確かに戦らしい戦はなくなったのだ。
それはここまで幕府の権威が広げられたから出来たことだ。
その幕府を重んじる近藤が率いる組を、もっと大きくしてみせる。
生まれは武士でなかろうと、誠の武士の心を持った俺たちこそが頼るべき存在だと思わせてやるのだ。
………例え最後の一人になろうとも、幕府を守る者としてあり続ける。
それが魂を引き継いだ者の使命だと。
土方は決意を新たに近藤と笑い合う。
―――さすがは鬼副長だ。
耳元に、そう言って笑う山南の声が聞こえたような気がした―――。
―終幕―
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