第壱者(FIRST) 鬱田毒男

2/3
前へ
/6ページ
次へ
考えたことはあった。クラスメイト同士の殺し合いや学校にテロリスト襲撃、果ては能力者の世界。周りの世界に適応し過ぎる日々に怠慢を感じて、平和のデメリットの暇が嫌で、退屈な日々が嫌で、無限螺旋な毎日が苦痛で、世界は丸くて棘が無いから刺激が無くて。 自分は特別だと信じ続けて。 ('A`)「……」 だが実際そういう立場に立ってみると最初のおぉ、すげぇだけで終わってしまった。何故か知らないが俺には物質を爆発する事が出来るようになった。昼間起きてパソコンして眠くなったら寝るという毎日変わらない生活を送っていたのに。その物質を爆発するという意思があるだけで爆発出来るのだ。末恐ろしいったらありゃしない。 ('A`)「…はは、何だよコレ…何なんだよ…」 意思があるだけで爆発出来る。まさしくヒーローに倒される悪役の最期と一緒だ。火炎を上げ粉微塵になる。しかもその爆弾の起爆剤は意思なのでカッとなると自分を制することが出来ない。 俺の目の前には死体がある。普段見慣れてる俺を産んだ母だ。その母の骸には上半身が無い。カッとなって実の母を爆ぜたからだ。よって俺の身体は返り血や肉片塗れ。生暖かい温度と気持ちの悪い感触がが吐き気を催す。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加