第一夜 出会いと夏休み

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「ハア、ハア、ハア」 走りながら右手の腕時計を見ると針は9時20分を過ぎている。 ヤバい。 俺は額に汗を滲ませながら、夢乃丘へと急いだ。 夢乃丘に着くともう宮本と灯はそこにいた。      「ごめん、待った?」 月明かりに照らされて、見える灯の顔は言うまでもないく不機嫌そうだ。 「待った?じゃないわよ。もう30分も遅刻よ。いったい何やってたの」 「いやいろいろ準備とかあってさ」 「まあ、修哉の遅刻はくせみたいなものだからな」 『お前に言われたくないよ』 『あんたが言えることじゃないでしょ』   俺と灯の声がハモった。どうやら同じことを考えていたらしい。
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