僕と従兄弟。

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うん、と言った彼の頬は赤色に染まっていて、照れているのだと分かった。 ぽんぽん、と軽く叩く様にして頭を撫でてやって、僕は取り出したクラッカーを持ってキッチンを出た。 リビングのソファに座ってテレビのリモコンを弄っていた大地は僕を見て、リモコンをソファに投げ出した。 投げるなっての。 「ユウ兄ちゃん、ママがね、お正月には此方に来たらどうかって」 「イギリスに?」 「うん。叔父さんと一緒に」 イギリスにね。そう呟きながら、ソファに腰掛けた。 イギリスには数年前に行ったきりだし、いいかも知れない。
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