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僕は宇宙の頭に手を乗せて、顔を上げた彼に笑って見せた。
「迷惑だなんて、これっぽっちも思ってないよ」
僕を見上げて大きな瞳を瞬かせる宇宙は、いつもよりもあどけなく見えた。
「僕も父さんも、二人が来るのを毎年楽しみにしているんだ。そりゃあ…大地は少し元気が良すぎるけどさ」
それが僕の頭痛の原因だという事は黙っておいた。
この子の前で、余計な心配をかける様な発言は控えよう。
「だから、つい甘やかしちゃうんだよ。勿論、大地だけじゃなくて、宇宙もね」
「……」
「宇宙はお兄ちゃんだから、色々と考えちゃうんだろうけれど、気にしなくていいんだよ。むしろね、宇宙はもっと我儘言っていいくらいだ。遠慮しないでよ、この家にいる時くらいはさ」
頭が痛いとか言いながらも、やっぱり僕はこの兄弟達が可愛いらしい。
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