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(な、ナンパ…!!)
必死に抵抗するが光香の力ではどうすることも出来なくなる。
「おっさん、警察呼ぶよ?」
ガッ――
ナンパ男に蹴りを入れる少女。
光香の肩から男の手が離れる。
その隙を利用して、少女は光香を連れて走る。
「大丈夫?」
ベンチに光香を座らせてかけていたマスクを取る。
「あ!!」
「さっき、透弥君の名前呼んでた子だよね」
少女の正体は玲音。
「………」
「透弥君のこと、好きなの?」
「え、いや…その…」
光香の戸惑う様子を見て、ホッとする玲音。
「良かった。なんともないね」
「あ、ありがとうございました…」
「あれ?光香!?」
透弥がショッピングセンターの袋を持ちながら光香と玲音の前に立つ。
玲音がいるのに気付くと顔を赤くする透弥。
「透弥君。女の子を1人にしちゃ、行けないでしょ!!」
「す、すんません…」
「あの…だ、大丈夫です…」
「…………でも、良かった。なんともなくて。今度は気をつけてね」
そう言い残して玲音は走っていなくなった。
光香と透弥も顔を見合せてからまた歩きだす。
でも、光香の心のモヤモヤは消えない。
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