1話

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(な、ナンパ…!!) 必死に抵抗するが光香の力ではどうすることも出来なくなる。 「おっさん、警察呼ぶよ?」 ガッ―― ナンパ男に蹴りを入れる少女。 光香の肩から男の手が離れる。 その隙を利用して、少女は光香を連れて走る。 「大丈夫?」 ベンチに光香を座らせてかけていたマスクを取る。 「あ!!」 「さっき、透弥君の名前呼んでた子だよね」 少女の正体は玲音。 「………」 「透弥君のこと、好きなの?」 「え、いや…その…」 光香の戸惑う様子を見て、ホッとする玲音。 「良かった。なんともないね」 「あ、ありがとうございました…」 「あれ?光香!?」 透弥がショッピングセンターの袋を持ちながら光香と玲音の前に立つ。 玲音がいるのに気付くと顔を赤くする透弥。 「透弥君。女の子を1人にしちゃ、行けないでしょ!!」 「す、すんません…」 「あの…だ、大丈夫です…」 「…………でも、良かった。なんともなくて。今度は気をつけてね」 そう言い残して玲音は走っていなくなった。 光香と透弥も顔を見合せてからまた歩きだす。 でも、光香の心のモヤモヤは消えない。
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