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「・・・・・。」
にこっと笑うと、男の人は私を凝視した。
「・・・なーんか見た事あると思ったら、妹に似てるんだ。」
「にゃぁん?にゃ?みにゃ・・・いもにょ?」
「おまえほんとに喋れないの?」
「ひゃ・・・れにゃ?」
男の人は立ち上がった。
「来いよ、家に入れてやるから。ここ暑いだろ。」
男の人はそのまま歩いていく。
私は、二足歩行できなかったから四つん這いで歩いた。
「・・・おまえ何してんの?ちゃんと歩けよ。」
「にゃぁにゃぁ、にゃぁぁ!」
私はね、一生懸命「歩けない」って言ったの。
「日本語を話せ、日本語を。」
彼は私の手を取りひっぱった。
「!?重っ・・・!」
彼はそう言って私の手を離した。
中途半端に腰が上がっていた私は、お尻を地面にぶつけた。
「にゃ!」
「おまえ自分で立とうとしろよ!!」
「にゃ・・・。」
私はシュンとなって両手を使って立ち上がろうとした。
「にゃ・・・にゃぁ・・・!」
「・・・おまえ立てないの?」
何度おまえと呼ばれただろう。
「にゃぁ・・・。」
やっぱり立ち上がれなかった。
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