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暑い日がきてだいぶたった。
兄弟はもう歩いて元気に走り回ってる。
私はね、お母さんの傍で欠伸をしていたよ。
大きな足音が聞こえたの。
お母さんは逃げなさいって叫んでた。
私はね、自分が人間だと信じていたからお母さんの言葉を無視したの。
お母さんは、逃げちゃったの。
兄弟も、逃げちゃったの。
私は人間に捕まった。
そしたらね、お母さんが飛び出して来て、人間に噛み付いたの。
人間は、お母さんを殺しちゃった。
私は、お母さんを見て理解したの。
私、人間じゃなかったんだ。
私はお母さんを置いて、人間の手を振り払い、兄弟の元へ逃げた。
兄弟はお母さんが死んだことを知らなくて、まだお母さんを求めて鳴いてた。
私は、猫だったんだ。
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