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「・・・にゃ?」
私はね、人間の言葉を理解していなかったの。
「にゃ?って・・・ふざけてるの?ここ、俺の家の庭なんだけど。」
そして、その人はお父さんを見た。
「あ、こいつまた来たのか。懲りない奴だなぁ・・・。」
「・・・にゃ?」
私はわけがわからなくてもう一度お父さんを見た。
お父さんはね、ここで小鳥を捕ってたんだよって言ったの。
「にゃぁ、にゃぁにゃぁ。」
私はへぇ、そうなんだって言ったの。
「・・・何?君猫と話できるの?」
「にゃ?」
「またそれ?」
私と男の人がそんなやりとりをしていると、お父さんが去って行ってしまった。
幸せになりなさいって言ってた。
「はぁ、ほんとおまえ誰だよ。」
「にゃぁ、にゃぁにゃぁにゃぁ!」
私は、人間になったんだよ!って言ったの。
「だから、にゃぁにゃぁ言ってるだけじゃわかんないってば。」
男の人はまた溜息をついた。
「・・・にゃにゃ?いう・・・?ふわわ・・・・・?」
私は慣れない舌を使いながら必死に男の人が話した言葉を繰り返した。
「は?にゃにゃ?いう?ふわわ?おまえほんとわけわかんない。」
「にゃ・・・みゃえふわ?」
どうしても言葉にはできなかった。
でも、人間と話しているのが嬉しくて、笑ったんだ。
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