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その日の夜、パジャマ姿でベッドに寝転んだあたりで友梨からメールが届いた。
『今日はどうしたの? 体調悪かった? でも、いきなり帰るからびっくりしたよ。 遊佐くんたちも心配してたし』
ごろ寝のまま、携帯を上にかざしてなんと返信しようか考える。
体調が悪かったのは確かだけど……。
やっぱり、今日は合コンって気分じゃなかった。
認めたくないけれど、偶然出会ったキザ王子の素っ気ない反応が、ずっと私の心を支配していて……。
少ししてからぽちぽちとメールを打ち始める。
『ごめんね。 かなりお腹が痛かったから、急いで薬を買いに行ったの。 遊佐くんたちには機会があったら謝っておいてもらえるかな?』
……本当は薬を買うほどではなかったんだけど。
メールを送信すると、私はすぐに目を閉じた。
今日はもう寝よう。
彼に会ったことは、夢だったと思おう。
目が覚めれば、またいつもと同じ一日が始まるはず。
そしてそのまま、夢の中に意識が吸い込まれていった。
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