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「風邪ね。 季節の変わり目だし、最近流行ってるのよ」
長い髪をサイドでひとつに纏めた女性の保険医が、そう言いながら錠剤とコップに入った水を手渡してくれた。
熱でぼーっとする頭。
寒さで震える体。
薬を飲み干すと、用意してくれた空きベッドにすぐ潜り込んだ。
「その調子じゃ、明日は家でゆっくり休んだ方が良さそうね。 あらかじめ担任の先生に伝えておこうか?」
先生の言葉にこくりと頷く。
「すみません……お願いします」
うーん、情けない。
最近、熱を出してなかったから、久々にくると辛さが倍に感じる……。
明日は、英語のリーディングの授業だったかな。
漢文、古文の授業は毎回眠くなるから、休めてむしろラッキーだとして……。
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