6269人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、翌々日。
全快……とまではいかないけれど、たっぷり休養をとったお陰ですぐに体力も回復し、私は学校へ向かった。
「おはよう!」
教室に着いてすぐ、友梨が駆け寄ってきた。
「良かったぁ。 すごく辛そうだったから、しばらく出てこれないかと心配してたよ。 もう平気なの?」
「ありがとう、もう大丈夫だよ。 ほら、私体力には自信あるから!」
「あー、遥香、スパルタ顧問の元でテニスもしてるし、基本元気だもんね」
「そうそう!」
うちの学校のテニス部の顧問は、数学の男性教師。
30代半ばの妻帯者で、妻にはめっぽう弱いくせに部活の指導は容赦ない。
毎年入部した新入生の半数が、彼のせいで辞めていく。
「起立ー!」
友梨と話し込んでいたら、いつの間にか先生が教壇に立っていた。
「やばい、やばい! 遥香、またあとで話そ!」
私たちは素早く席について、授業を受け始めた。
最初のコメントを投稿しよう!