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「……あっ」
でも、その視線はすぐに逸らされてしまった。
私と目が合ったのはほんの数秒間。
彼は、ぱっと顔を前に向けると、小さくあくびをしてからまたいつものようにうたた寝をし始めた。
「…………」
胸の鼓動を感じて、私は慌てて彼から視線を外した。
心臓がどきどき音を立てている。
今のは……絶対に、目、合ってたよね?
多分……勘違いじゃない。
彼も私と目が合って、少しだけハッとした表情を見せたような気がする。
……そう、思うんだけど……。
でも、もちろん確証なんてない。
結局は、また私の勝手な思い上がりかもしれない。
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