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うーん……だめだめ。 今は中学生相手にときめいちゃってる場合じゃないよ。 曲がりなりにも私は、これでも一応受験生なのに。 私は黒板に向き直って、頭に入ってこない歴史上の人物名を、必死にノートに書き写し始めた。 ……でも、胸に生まれたときめきは、すぐには消せない。 どきどきする気持ちは、また私に淡い期待を抱かせる。 そして、窓の向こうを気にしながら、いつものように一日を過ごす。 不真面目なキザ王子は、そのあとも何回か長めの前髪をかきあげながら窓の外を眺めていた。 でも、もう目は合わない。 まるで、意図的に無視するかのように、絶対に私を見ようとはしない。 ……やっぱり私、ただの自意識過剰女なのかもしれない……。 ときめいたり、落ち込んだり。 どきどきしたり、がっかりしたり。 これは、相手が彼だからなのかな……?
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