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あれっ……?
え?
……えっ!?
今さら気付き、私の思考回路が一瞬閉鎖する。
「キ……っ」
キザ王子っっ!!!!!
言葉に出しそうになって、慌てて口元を手で押さえる。
一昨日同様、突然の至近距離。
彼も、少し驚いた顔でこちらを見たまま、瞬きをした。
さらさらな髪の毛が西陽に照らされて、キレイに輝いている。
うわ、どうしよう。
どうしよう。
またこんな偶然ってアリ?
彼が一昨日のことを覚えているかなんてわからない。
でも、ペコリと軽く会釈をしてから、そのまま急いで歩を進めた。
……偶然って、続くんだ。
そう考えてから、思い直す。
あ、そっか。
いつもは部活でこんな時間に帰らないから、今まで会わなかっただけなのかも。
彼にとっては日常の帰り道で、その風景の中に私が突然現れちゃったんだ。
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