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すると、彼は私の気持ちを見透かしたかのように、ニッと口角を上げた。
男の子のくせに、可愛らしい笑顔。
「ふーん、そっか! 席替えでもしたのかと思って、ちょっと焦っちった」
「席……?」
「でも、違ったんならいーや。 今日は普通にいつもんとこ座ってたしさ」
そう言って、納得したように一人で頷く。
「う、うん、そうだけど……。 ねぇ、ちょっと待って」
ごくっと唾を飲み込んでから、思いきって聞いてみる。
「……君、私のこと知ってるの?」
「……へ?」
意表を付かれたかのような顔をして、キザ王子は目をぱちくりさせた。
「今さら? 知ってるも何も毎日オネーサンのこと見てるし」
「!」
「ってゆーかさあ、オネーサンだって……そうでしょ?」
可愛い笑顔に、ほんのちょっぴり試すような表情を浮かべた。
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