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角を曲がって、私のいる位置からは見えなくなった彼。
私は、手の中に残された折り畳まれている小さな紙切れを、憤慨する気持ちのままゆっくりと開いた。
『穂高瑞希(ほだか みずき) 080-хххх-хххх メアド:хххх@хххх』
ノートの切れ端に、殴り書きのような文字でそう書いてあるのが目に映った。
「…………!!」
また、大きくどきんと高鳴る胸。
しかし、さっきの彼を思い出すとともに、一瞬にしてその気持ちは萎んでいった。
な、軟派なエロ王子なんかに、騙されるもんか……っ!
かくして、私の彼に対するイメージは、この日を境に大きく変わってしまった。
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