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「おはよぉ! ねえねえ、携帯の番号って、教えてもらったぁ?」 翌日の朝、下駄箱で上履きに履き替えていると、ふいに後ろの方から友梨が声をかけてきた。 「ば、ばばば、番号っっ!? なっ、なんのことっ!?!?」 友梨は校舎に入ると、フリルのついた可愛い傘を傘立てに入れた。 今日は朝から空が暗く、今にも雨が降りだしそうな天気。 放課後の部活は校内でのストレッチになるのかなぁ……なんて考えている矢先だった。 「何って……遊佐くんの番号に決まってるでしょ? 合コンした日、私も碓井くんとばっかり話しちゃってたから、その辺どうだったのか気になってて」 そう言うと、友梨は、ふふっと楽しそうに笑った。 「碓井くん情報だけど、遊佐くん、遥香のことけっこう気に入ったみたいだよ」 「あ、そ……そう……なの??」 私は思わず身構えていた体から、ふうっと力を抜いた。 ……ば、番号って、遊佐くんの携帯のことかぁ……。 「……遥香?」 友梨がいぶかしむような顔つきで、私を覗き込んできた。 「あっ、なんでもないっ。 遊佐くんの番号? 聞いてないよ!」
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