最終章

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ーー穂高くんからは、たくさんの感情をもらった。 それは、外見も内面もシンプルに生きてきた私を、時には熱くさせ、時にはこれ以上ないくらいに落ち込ませて。 それらは全部、君と出会えたから生まれた感情。 君を好きになれたから、知ることの出来た色とりどりの世界……。 私は、同じくらい君に感情を与えることができたかな? 感動も喜びも悲しみも、私と同じくらい君の心に植え付けることができたかな? こんな幸せな中にいても、それでも少しの不安が付きまとうのは、やっぱり君が大好きだから。 たくさんの愛を与えて、たくさんの愛を返してもらっても、それでも足りない何かがある。 それはきっと、私たちには未来があるから。 満ち足りてもまだ君を欲する、愛に溢れた未来があるから。 ーー君も、同じだといいな。 私のことを、好きで好きでたまらないくらい…… 今も、そしてこれからもずっと、愛してくれているといいな。
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