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舟は手に入りましたが、雉はいなくなってしまいました。それでも、桃太郎達は海を渡ります。
もう、渡るしかありませんでした。
海原を舟が行きます、けれども、快適ではありません。波が舟を煽り、風が帆を嫌い押し返そうとまでするからです。
ただ、それだけならよかったのですが……
鬼ヶ島に近づくにつれて海は荒れ風は唸り、とうとう桃太郎達の乗る舟はひっくり返ってしまったのです。
桃太郎が最後に感じたのは、どんどん海の底目掛けて沈んで行く自分の身体、遠ざかって行く水面に揺らぐ月光。
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