つかの間の休息

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「改めまして、私が今回監督役として派遣されたカレン・オルテンシアです」  カレン・オルテンシアと名乗ったシスターはそういって目の前で長椅子に腰掛けている禁書目録に軽く頭を下げた。  修道服を着た女性がほとんど無表情で挨拶するというのも中々シュールな光景なのだが、禁書目録はそんなことを気にする様子はない。  というか、彼女はカレンの事を見てすらいない。 ぷいっと顔を背けて意図的にカレンを視界から外している。  当然ながら、会釈なんぞ完全に無視である。  どうやら禁書目録には礼儀というものを尽くす気がないようだ。 「……面倒な方ですね。別に私が彼女をボロボロにしたわけではないのに」 「そういう問題じゃないんだよっ! 私は外に人が打ち捨てられてるのにオルガンなんて弾いてたのを怒ってるの!」  カレンの何気ない一言に反応して、禁書目録はカレンを一気にまくし立てる。 「しかも礼拝堂を出た所で会った時もなんだか怪しげな雰囲気を漂わせてたし……私他の参加者かと思って焦ったんだから!」
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