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「その様にそちらの都合で話をされてましてもね。というより、大前提として貴方が自分のサーヴァントの出撃に気付けなかったのが事の原因だと思うのですが」
「そ、それはしょうがないんだよ。アーチャーは基礎能力値がものすっごく低いから、魔力の消費が微弱なんだもん。それに遠くで宝具使われたとしてもマスターにはわからないんだよ……」
「それならそれで事前に話し合っておくべきだったと思いますけど。聖杯戦争が始まったのは昨日晩の事なのでしょう?」
「うっ……」
痛い所を突かれたのか、禁書目録は顔を引きつらせる。
勝負あり、だ。
禁書目録の表情を確認したカレンは礼拝堂から教会内部につながる扉へと足を進める。
「私は二階の部屋を使わせて頂きます。隣は貴方が使っているようですし……本来ここはマスターの拠点にして良い場所ではありませんが、今回は許可しましょう。サーヴァントの件に対する私個人のお詫びという事で。それでは」
カレンは禁書目録をその場に放置して、礼拝堂を後にした。
残された禁書目録の顔が不満そうに膨らんでいたのは言うまでも無いだろう。
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