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「……バイトをしよう」
ファミレスでのランサーの食べっぷりを見て、阿良々木暦はそう決意した。
「けぷ……」
前日は色々あったので、親交を深めるために一緒に朝食をとる事にしたランサー陣営の三人だったのだが、ランサーの食べる量が多すぎてファミレスを出た途端に、阿良々木暦の財布が殆どからになってしまったのだ。
「うむ、確かにこんな状況では聖杯戦争以前に普通に生活することすらままならんしの。働きにでるというのは当然の判断なのやも知れぬ」
「だろ? 幸いこの世界での僕は学校に通っている訳でもないし、一日中バイトにせいをだせる」
「そうじゃのう。じゃがお前様、バイトと言うのは働き口を見つけたその日のうちに働かせて貰え、加えて賃金を得られるものでも無かろう? 最低でも一日程度は空いてしまうと思うのじゃが」
「それは否定できないな……」
「じゃろう」
一度会話を区切るとそこで考え込む二人。
ファミレスから出てから何の目的もなく歩いていた彼らは、いつの間にか冬木大橋近くまで来ていた。
阿良々木暦は近くにあったベンチに腰掛けると、元の世界に居た1人の詐欺師を思い出す。
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