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「こんな非常時でも、やっぱり金か……」
「非常時だからこそじゃ。儂にしてもお前様にしても、生きて行く糧は必要じゃからな」
いくら特別な体質の二人であるとはいえ、彼らにも食べ物は必要だ。
吸血鬼である忍野忍はともかくとして、平常時は一般人とさほど変わらない阿良々木暦にとって一日中何も口にしないというのは極めて辛い行為である。
働き口が無ければ金銭は手に入らないが、まさか警察官の息子が万引きなどするわけにもいくまい。
二人は冬木の真ん中を流れる川を眺めながらただただ時間が過ぎる事に危機感を覚え始めていた。
「…………けぷ」
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