つかの間の休息

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 冬木の街は未遠川を境に大きく二つの場所にわけられる。  1つは学園や商店街、住宅街が主となっている深山町。  もう1つは多くの高層ビルが建ち並び、娯楽施設に満ち溢れた新都。  未遠川はこの二つの間に流れており、二つの町を結ぶのはこの川に掛けられた冬木大橋だけとなっている。  そして、その唯一の場所に球磨川禊は立っていた。 『いっや~まさか開始早々に襲われるなんて夢にも思わなかったよ。僕みたいな善良な学生を襲撃する前に、もっと倒すべき悪者が居ると思うんだけどね』 「……アサシンの襲撃はどちらかというと偵察の意味合いが強いのだろう。あれのマスターは、はじめに敵の戦力を測っておきたいと見える」  彼の言葉に反応したのは霊体化して彼の傍らに存在しているサーヴァント。  今回の聖杯戦争の開幕をアサシンと演じた隻眼の男である。
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