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『偵察か~。まあ戦略としては間違っていないんじゃないかな。聖杯戦争において情報は何よりも重要だしね』
「情報が重要なのは聖杯戦争に限らずどの戦いにおいても同じことだ」
『――それもそっか』
球磨川は落下防止用の手すりに寄りかかると、首だけ動かして周囲を観察する。
橋の上からは深山町にある海浜公園が望めるだけで、他の場所に居るマスターを見つけることはできない。
だが、深山町と新都を結ぶたった一つの陸路である大橋に居れば他の参加者の方から見つかりにくる。
球磨川はそう考えて、着の身着のままの姿で冬木大橋に居た。
彼が制服姿である事と、冬木にある学園が1つしかない事を考えると、今球磨川が行っている行為はどちらかというと自分を囮に相手を誘い出している形になるのだが、彼からしてみればそれで問題ないのだろう。
なにせ彼が引き当てたのは「最優」のサーヴァントなのだから。
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