つかの間の休息

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どこにでもあるようなチェーンのファミリーレストラン。  家族連れが多く訪れ、安定した集客力を強みとするその施設は当然、聖杯戦争の開催地である冬木市にも存在する。   「いらっしゃいませ。2名様でご来店ですか?」 「あぁ、見ての通り2人だ。禁煙席は空いているか?」 「はい。ただいまご案内いたします」  そういって、柔和な物腰の男は二人の少女を店の隅にある席に座らせた。  時間がちょうど昼頃ということもあり、店内は彼女たちの他にも多くの客であふれていたが、二人の少女がその客達にまぎれる事はない。  ファミリーレストランとは、銀色のガントレットを纏った少女が霞んでしまうような場所ではないのだから。
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