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「さて、ユー君はどんな物が好みかな?」
席に着いた少女達の片割れ、銀色のガントレットを身に着けていないほうの少女は同行者にそう問いかけた。
共に居るのが特徴的過ぎて余り注目はされていないが、艶やかな黒髪に理想的な体つきをしたこの少女もファミレスには似つかわしくない雰囲気を漂わせている。
ファミレスよりもアンティーク喫茶に居る方が彼女には似合うだろう。
『好き嫌いは特にない』
対して、どこに居ても浮いてしまうであろうガントレットの少女は口を開く事もなく質問に答える。
携帯していたメモ帳にペンを走らせるのが彼女のコミュニケーション方法なのだ。
「そうか。となるとお姉さんがユー君の分も選んでしまうが、構わないかい?」
『問題ない』
「それじゃあこの辺りのパスタから……」
余裕に満ちた表情をしながら、少女はメニューに目を移す。
どこか楽しそうな彼女の顔はまだまだ未熟な女子高生のものだった。
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