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in ラブホ
なぜだろう。シャワーの音が聞こえる。しかも俺じゃない。
結局入ってしまった。まぁ確かにここなら防音だし、休憩料金だったら安いし、飯も飲み物もあるなんて最高じゃないか!
はっはっは…
んなわけあるかっ!
どーする俺!
どーすんだ翔夜!
話聞きたいとしてもどんだけ聞きたいんだよ!
人間誰しも聞かれたくないことだってあるだろ!
これは聞いちゃいけないことだったんだ!聞くのはやめよう。
しかーし!ここはただの場所じゃない。レストランみたいになにか食べてハハハなんかできねぇんだよ!
しかも俺指名してるし!しなきゃダメ?ダメなの?
「なにしてんの?」
後ろから女の声がした。
振り替えるとバスローブを身にまとった真奈美が立っていた。
やはり、真奈美だった。
「あんたもシャワー浴びれば?」
「っ!俺はヤりに来たんじゃねぇぞ!」
「…知ってるわよ。あんたの考えてる事くらい分かるわよ。」
俺達の付き合いはもう10年になる。分かってるのは当たり前だろう。
「ただ、酒臭いのよ翔ちゃん。お酒の臭い、嫌いなの。」
その言葉で即風呂に行った。
シャワーを浴び終わり、部屋に行った。
真奈美は冷蔵庫の中の缶ビールを開けていたところだった。
「早かったね。…はい、飲むでしょ?」
「…ありがと。」
さっきは酒臭いとかなんとか言ってたくせに。よく分からん女だ。
結構な沈黙が続いた。かなり珍しい。彼女とはこんなこと初めてだ。
「で、聞きたいことあるんでしょ?」
沈黙を破ったのは彼女の方だった。
「…なんで娼婦なんてやってんだ?」
「ブッ」
彼女がビールを吹き出した。
「アッハハハハハ!!いやぁやっぱ面白い!そんな単刀直入に聞く?相変わらず言葉をオブラートに包むことがお下手なこと。」
「うるさい。」
「ハハ……そんなに聞きたい?」
やはり、聞いちゃいけないことだったんだ。
「…お前が言いたくないなら…」
「いいよ。」
「え?マジ――」
「ただし、」
真奈美は俺を押し倒した。
「今夜の相手をして?」
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