再会

5/6
前へ
/6ページ
次へ
in ラブホ なぜだろう。シャワーの音が聞こえる。しかも俺じゃない。 結局入ってしまった。まぁ確かにここなら防音だし、休憩料金だったら安いし、飯も飲み物もあるなんて最高じゃないか! はっはっは… んなわけあるかっ! どーする俺! どーすんだ翔夜! 話聞きたいとしてもどんだけ聞きたいんだよ! 人間誰しも聞かれたくないことだってあるだろ! これは聞いちゃいけないことだったんだ!聞くのはやめよう。 しかーし!ここはただの場所じゃない。レストランみたいになにか食べてハハハなんかできねぇんだよ! しかも俺指名してるし!しなきゃダメ?ダメなの? 「なにしてんの?」 後ろから女の声がした。 振り替えるとバスローブを身にまとった真奈美が立っていた。 やはり、真奈美だった。 「あんたもシャワー浴びれば?」 「っ!俺はヤりに来たんじゃねぇぞ!」 「…知ってるわよ。あんたの考えてる事くらい分かるわよ。」 俺達の付き合いはもう10年になる。分かってるのは当たり前だろう。 「ただ、酒臭いのよ翔ちゃん。お酒の臭い、嫌いなの。」 その言葉で即風呂に行った。 シャワーを浴び終わり、部屋に行った。 真奈美は冷蔵庫の中の缶ビールを開けていたところだった。 「早かったね。…はい、飲むでしょ?」 「…ありがと。」 さっきは酒臭いとかなんとか言ってたくせに。よく分からん女だ。 結構な沈黙が続いた。かなり珍しい。彼女とはこんなこと初めてだ。 「で、聞きたいことあるんでしょ?」 沈黙を破ったのは彼女の方だった。 「…なんで娼婦なんてやってんだ?」 「ブッ」 彼女がビールを吹き出した。 「アッハハハハハ!!いやぁやっぱ面白い!そんな単刀直入に聞く?相変わらず言葉をオブラートに包むことがお下手なこと。」 「うるさい。」 「ハハ……そんなに聞きたい?」 やはり、聞いちゃいけないことだったんだ。 「…お前が言いたくないなら…」 「いいよ。」 「え?マジ――」 「ただし、」 真奈美は俺を押し倒した。 「今夜の相手をして?」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加