202人が本棚に入れています
本棚に追加
彼を初めて見たとき。
言葉では表せない、そんな感情がおれの心に宿った。
「ゆうと?おーい、ゆうと!」
「……あ、ごめ…っ」
名前を呼ばれ、我にかえる。
前を見ると、親友のけいとがおれを心配そうに見つめていた。
「ごめんね、ボーッとしちゃって…」
「いいよ、全然。どうせまた、やまだくん…でしょ?」
「…っ、」
なんでバレたんだろう…と思うのと同時に、やまだくんの名前を出されたことによって、おれの心臓はドキッと高鳴った。
「ゆうと、見すぎなんだもん。さっきからずっと、あっちに視線が向いてるよ?」
けいとの視線をたどると、そこには楽しそうに友達と話すやまだくんがいた。
…おれ、そんなに見てたのかな?
.
最初のコメントを投稿しよう!