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学校に到着し、弥生と別れて、教室の席に着くと、友人達が黒板の近くで談笑していた。 睦月は机の上に鞄を置くと、席を立って、談笑している輪に声を掛けた。 「おはよ、みんな何の話題で盛り上がってるの?」 輪の中の一人である亜美が、問いに答える。 「英語の中崎先生いるじゃん、来月結婚するんだってさ」 亜美の科白に、睦月は思わず固まった。 そんな、睦月の様子に気付かずに友人達は話を続ける。 「何でも2コ下の大学時代の後輩なんだって」 「彼女居るなんて知らなかった」 「別に隠さなくたってよかったのに」 「突然、結婚はびっくりだよね」 皆から口々に出てくる言葉に、睦月は反応することができず、ただ呆然と聞いていた。
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