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公園の池に映る顔を見て思う。
どうすれば俺は男に見えるのだろうか。
ツンツンにするのは恥ずかしいのでボサボサにしてみた黒髪。
筋肉をつけるために格闘技もしてみた。
が、全く効果無し。
細マッチョって言うやつか。
自分でいうのもなんだが年相応、可愛い感じのボーイッシュな女の子にしか見えない。
坊主はなんか格好悪いしな……。
「姉ちゃん!」
この声は、
「よう、クソガキ。」
この公園によく居るクソガキさんじゃあないか。
「姉ちゃんもたまにはスカート履けばいいのに」
クソガキさんは正確な歳は知らないが、小学校中学年くらいの男の子だ。
「貴様、まだ俺のことを女だと思っているのか」
前回あんなに言って聞かせたのに!
「だって、どっからどう見ても女の子じゃん。声だって、家の兄ちゃんはもっと低い声してるぞ」
クソガキさんが、そのへんのどこにでも居そうな顔で素晴らしい毒を放ってくる。
ぐ、俺にだってそのうち変声期が来るはず、……………………………………来る、よな?
「ま、胸はないけどな」
「あってたまるか!」
このガキ、もう一度言い聞かせる必要があるようだな。
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