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逃げよう。
今まで、俺を女だと勘違いして告白されることはあったが、女装とは……
女装、だろ?
つまり、俺を男だと分かった上で、だろ?
俺の中の危険信号が赤信号になってるんですが。
「あれ?どうしました?女装、分かりますよね」
いや、分かるけど、分かるからこそ、分からないと言うか、分かりたくないと言うか。
「その、なんていうか、女装をしろ、と言われてする人が普通いると思うます?」
俺がそう言うと自称佐藤さんは手をポンと叩いた。
「状況説明を忘れていました」
女装の状況説明て何だ?
「えっと、霧乃筑紫さんを知っていますか?」
「日本を救ったっていう英雄さんですよね?」
それと俺の女装となんの関係が?
「まあ、知ってますよね。じゃあ、彼女に娘がいることは?」
娘?ああ、最近どっかで子供がいるって聞いたな。
娘だったのか。
「子供がいるってことは知ってます。確か歳は」
あれ?何歳だっけ?
「貴方と同い年ですね」
そう、確かどっか遠くの高校に入学するって誰かに聞いた気が。
「その娘がどうかしたんですか?」
こいつの変態疑惑は消えていないので、逃げる準備は怠らない。
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