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「ここ難しいもんねー。貸して?」
俺と要は趣味や好きなものが全くと言っていいほど一緒。
好きな食べ物も、好きなゲームも、服の趣味も、全て同じで、一緒のことが多いから、話が合う。
そもそも、仲良くなったきっかけもゲームだったし。
俺としてはそれを勝手に、運命かもしれないとか思ってるんだけど、要はきっとそんなこと思ってないだろうな……。
「ここの中ボスのときは一回薬使って体力回復させといてー……それから武器は、コレにしてっと……」
「おお~!さすが爽ちゃん!」
ゲームをする俺の横で子どもみたいに目をキラキラ輝かせる要。
あー……近い近い近い。
これだけ近いと、自分の意志とは関係なく反射的に手が出てしまいそうで怖い。
変な気を起こさないように、ゲームに没頭する。
「……っとー、クリア」
「早ッ!爽ちゃんマジ天才~!ありがとおーっ!」
そう言って、要はガバッと俺に抱きついた。
その瞬間、心臓がドクンと跳ね上がる。
自分で我慢していても要からこういうことをするときがあるから本当に困るんだよな……。
要に他意がないのはもちろん分かってる。
単純に嬉しいのと、俺を友達として信頼してるからこその行動だって分かってるけどさ……。
こういうことされると、
もっと好きになっちゃうよ?
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