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「……夢、か……うわ、夢かああぁ~……くそ」
なんだ、夢かよ。
夢ならもっと見ていたかった!
要、超~可愛かったもん……。
「なにブツブツ言ってんの?なんでもいいけど、早く起きなよ。朝ご飯出来たって」
「んー……」
俺が返事をすると、奈々は呆れたようにため息をつきながら部屋から出て行った。
「……本当に、要、可愛かったな」
俺に、俺だけに笑いかけてくれていた要。
手を伸ばして、ギューって、抱きしめたかったな……出来ることならキスまで……ん!?つか、もっかい寝たら見れるんじゃないか!?
……いや、ここで二度寝したら確実に遅刻する。
遅刻して本物の要に会う時間が減るほうが困る。
「夢の続きはまた今度、だな……」
はあ~と深いため息をつくと、諦めて起き上がった。
季節は春。
俺はこの4月に、高校3年生に進級した。
そして、
進級と同時に、
片想い歴も3年目に突入した。
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