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電車で揺られること30分。無事学校に到着。
教室に入り、自分の席で身支度をしていると廊下から聞き慣れた声がしてきた。
「じゃあ、またあとでな~」
あ、この声は……。
顔をあげると同時にガラリと教室のドアが開いた。
「爽ちゃんっ!おはよ」
天使降臨。
俺の前に現れたその人物は、俺を見るなりニコッと可愛らしく微笑んだ。
そう、コレが俺の好きな人。
好きで好きで、たまらなく好きで、俺のものにしたいくらい好きな人。
逢沢要くんです。
身長は俺よりずっと小さくて、背の大きめな女子と大して変わらない。
体つきも華奢だし、色も白いし、何より顔が異常なまでに可愛い。
要には男性ホルモンがないんじゃないかと思うくらい、男っぽい要素がまるでない。
まあ、喋ってみると中身はフツーの男の子なんだけど。
「おはよ」
俺も笑顔で挨拶を返す。
要と喋ってると自然と顔がほころんでしまう。
要は教室に入ると、俺のとなりの席にリュックを置いて身支度を始めた。
あー……幸せすぎる。
俺は1日の中でもこの瞬間がいちばん好きだ。
要が俺の名前を呼ぶ、笑いかけてくれる、それでとなりに座る。
七瀬はクラスが違うから、このときだけは要を独り占めしているような気がして嬉しくなるのだ。
「あ、そうだ!爽ちゃん聞いてよ~」
そう言うと、リュックの中からゲーム機を出して椅子を俺のほうに近づけた。
ち、近い……!
「昨日いいとこまで行ったんだけど、やっぱりどうしてもここの中ボスが倒せなくてさ~……お願い!爽ちゃん、やって?」
潤んだ瞳で俺の顔を見上げ懇願する要。
やばい……超可愛いんですけど!
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