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依頼人としてやってきたのは大柄で恰幅のいい中年の男だった
彼はこの町内の美術館の館長と名乗った
「………つまり盗まれた美術品を取り返したいと」
館長は落ち込んだままの状態で頷く
「……警察に連絡すれば盗まれた事が知られてしまい、我が美術館の信用に関わります。ですので、あなた方には出来るだけ秘密裏に取り返してもらいたいのです。」
「了解しました、電話でお話しした物は持ってきていただけたでしょうか」
「はい、こちらに」
館長は持ってきていた鞄から四角い何かを取り出す
「監視カメラの映像は全てここにあります」
並べられたディスクの束を見て赤城は笑みを浮かべる
「分かりました、展覧会の終わる3日前までに取り戻して見せましょう。」
3日前という今日を含めて5日間しかない
「50万で、いかがですか?」
「それですむなら安いものです」
館長は迷うことなく答えた
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